「さて……無事だといいんだけど……ちょっと厄介なことになってるかしら……」

 呟きつつ廃ビルの戸口をくぐる。魔力の不足から広域に及ぶ探知が出来なかったとはいえ、ここまで近づくとこの建物の中に『ゆらぎ』が巣くっていることは、今のメグにもはっきりと感じ取れていた。
 不意打ちを食らわないように慎重に歩みを進めるメグを、華奢な人影が出迎えた。右腕に身体とは不釣り合いな程の長いロッドを抱えて立ちはだかる姿は、メグが良く見慣れた者の姿だった。

「アイちゃん!」
「あ……え……?」
「駄目じゃない、アイちゃん。また勝手に飛び出してきたりして……探したのよ?」
「あ……メグ……姉……様……?」

 とりあえずの無事を確認して、安堵の表情で駆け寄り、メグは畳みかけるように心配していた旨を伝える。だが、アイの返事はどこか上の空といった様子だ。感情の抜け落ちたようなその声に、メグは異常を感じ取った。

「アイちゃん? どうしたの一体……うっ……何? この臭い……」

 薄暗い建物の奥から歩み寄ってきたアイの身体は相当な異臭を放っていた。メグは眉間にしわを寄せながら手で鼻を覆い、目を凝らす。
 薄明かりの中に浮かんだアイの姿は無惨とも異様とも言うべきものだった。

 黒のハイネックレオタードに深青の上衣とミニスカート、長手袋とソックス。確かに一応は戦士の正装である戦闘服を身につけていたものの、それはもはや着衣とは呼べないほどにボロボロだったのだ。
 レオタードと長手袋はゆらぎの発する分泌物にまみれ、生乾きのそれが腐臭を放っている。

 両胸は乳房こそ元と同じサイズだが、大人の親指ほどの太さに成長した乳首が上衣の上からでもはっきり分かるほどに突起を作っていた。
 恥部からは常にオリモノが漏れ続けているのか、着衣の股間部には大きなシミが広がり、太腿を伝ってニーソックスにまでシミを作り、これまた異臭を放っていた。

 そして最も衝撃的なことに、下腹部から胸の付近にかけてくっきりと一本の太い触手のシルエットが浮かび上がっていた。それは衣服によってぴったりと腹に押さえつけられていてもはっきりと見て取れるほどに巨大な逸物だった。
 アイが一歩歩くごとに、両乳首と触手はそれらを押さえつける布地と擦れて、ずりっ、ずりっと音を立てる。レオタードの布地には新たな分泌物によるシミが広がり、股間から滴る膣粘液もその量を増してポタポタとコンクリートの床に流れ落ちる。
 一歩ごとにもたらされる快楽を楽しみながら、濁った瞳に薄ら笑いを浮かべつつ、アイはふらふらとメグに近づいていった。

「メグ……ねぇ様ぁ。私だって……探してたのに……メグ姉様のこと探して……最初は言われた通り待ってたのに……全然連絡もなくて……私寂しくて、一生懸命探したのに……」

 支離滅裂ながらも、上の空のような口調が徐々に苛烈なものへと変わってゆく。

「ちょっとアイちゃん! 一体何があったの!? ちゃんと分かるように……」
「探しても探してもどこにも居ないのに、今さらそんな平気な顔で現れて、人の気も知らないで……メグ姉様なんて嫌いだぁ!」
「えっ? え……?」
「嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだああぁぁっ! そうだ! メグ姉様なんて死んじゃえばいいんだ! そうだ死ね、死ね死ね死ね死ね死ねえええええぇぇっ!!」
「くっ……」

 どこを見ているか分からないような濁った瞳のまま、突然発狂したように唾をまき散らしながらアイはロッドを振り回し始めた。
 メグは至近距離からの打撃をかろうじて受け止める。鉾とロッドが打ち合わされ、乾いた打撃音が響いた。

「うぐるるるおおおぉぉぉぉっ!」
「くぅっ……しっかりして! 目を覚まして! 私が分からないの!?」

 (まずい! 誰かに操られている? それとも……)

 狂った野獣のように咆吼を放ちながら、アイはロッドを打ち込み続ける。
 力量の差があるとはいえ、たがが外れたように手加減なしで攻撃する者と、相手を傷つけないように気を遣いながら闘う者とでは勝負になろうはずがなかった。
 防戦一方となったメグは次第に建物の隅へと追いやられてゆく。認めたくはなかったが、直近に迫ったアイの身体からは牝臭と腐臭に混じって、濃厚な『ゆらぎ』の臭いがした。

「がああああぁぁっ!」
「このっ!」

 なおも吠えながら襲いかかるアイに、壁際に追いつめられたメグは苦し紛れに反撃の一太刀を放った。それは相手に致命傷を与えるのではなく、相手が攻撃を受け流す間に脱出する隙を見いだそうといった軽い一撃だった。
 だが、何を思ったかアイは構えていたロッドをだらりと下ろし、メグの攻撃に自ら身を晒すように歩み出たのだ。相手が自分を絶対に傷つけることが出来ないということを完全に見透かした上での行動だった。

「あっ……」

 突き出しかけた鉾先をとっさに逸らしたことで、攻撃がアイの身体を傷つけることは避けられた。その代償にメグはバランスを崩して二、三歩たたらを踏み、大事な武器を手放してしまう。

 (しまった!)

 メグの鉾が転がる金属音を背後に聞きながら、アイはもう一度自分のロッドを構え直すと、無防備に伸びきったメグの両膝を思い切り薙いだ。

「きゃああああああぁぁっ!」

 関節の砕ける鈍い音とそれに続く悲鳴。前のめりに床へ倒れ込んだメグを見下ろして、アイは無表情なまま大きく溜息をついた。

「ご苦労様です、アイさん。なかなか見事な闘いぶりでしたよ」

 柱の影から例の肥満男が姿を現わした。膝を押さえて倒れ込むメグを見て満足げに表情を崩す。

「はい……」

 陶然としたように答えるアイと厭らしい笑みを浮かべる男を、床に倒れ伏したままメグは見比べていた。本来なら今すぐに起きあがって、憎きこの男を串刺しにしてやりたいところだが、両足を苛む痛みの中ではただ眺めているしかない。

「私の可愛い後輩を洗脳するなんて、随分と酷いことしてくれるじゃない。あなた、どんな風に殺してほしいのかしら?」

 激痛に脂汗を流しながらも極力強がって見せながら、メグは目の前に現れた敵をにらみつけた。

「ホッホッホ、寝転がりながら凄んでも全く迫力がありませんよ? それに私は洗脳なんて言うほど大層なことはしていません。軽く暗示をかけて差し上げただけですよ」

 従順な犬のように傍らでお座りをするアイの頭を軽く撫でながら言葉を続ける。

「精神が極度に弛緩した状態になると、簡単に『喜力』を放出しやすくなります。私はその状態に陥ったアイさんの『喜力』を吸いながら暗示をかけたんですよ。抵抗する意思を奪いながら暗示にかけるので、このように簡単に言いなりになってしまうというわけです」
「…………」
「それともう一つ、貴女は気がついているんじゃないですか? アイさんが『ゆらぎ』になりかかっていることを」
「……!」
「お察しの通り、彼女の『喜力』はあとわずかしか残っていません。私が一声かければあっという間に醜い触手だらけの化け物と化すでしょう。そうでなくてもあと一日もすれば、間違いないなく『ゆらぎ』になってしまうでしょうね」

 どうにもならない歯がゆさを押し殺しながら、余裕たっぷりに話す男の説明をメグは無言で聞き続ける。

「助ける方法……ありますよ」
「え……」
「アイさんに貴女の『喜力』を分けて差し上げればよいのですよ。飢えて飢えて仕方がない彼女の心を、あなたが満たしてあげれば良いのです」

 男の口の端がつり上がった。その意図するところを察してメグは総毛立つ。
 案の定それが合図だったのだろう、大人しく座っていたアイが口元をほころばせながらゆっくりと立ち上がった。

「おあずけはもう良いですよ。存分に楽しんでください」

 その言葉を聞くやいなや、アイは餌にむさぼりつく子犬のようにメグに飛びかかった。

「痛つぅっ! やあっ、やめて! やめなさいアイちゃん! あ……きゃあああっ!」

 押し倒された衝撃で膝が悲鳴を上げる。苦痛に顔をゆがめるメグの事など構わずに、アイはメグの豊かな胸にむしゃぶりついた。

「ふぁ……あ、むぅ……メグ姉様……メグ姉様のおっぱいだぁ……ずっとこうしたいと思ってたのぉ……柔らかくって、すっごくいい匂い……んふぅ……」
「ひゃんっ、ちょっと……やめてぇ、くすぐったい。息が当たって……」

 触手達の粘液で汚れた顔面を拭うように、アイはメグの乳房に顔をうずめ、何度も息を吸っては吐く。鼻腔に入り込んでくる牝の匂いに、アイの中に巣くった『ゆらぎ』達が反応して興奮しているのだ。

 顔面を紅潮させてアイは自分の全身を、組み伏せたメグの身体へと一心不乱に擦りつける。
 レオタードの腹部の破れ目から覗く触手が、薄い衣類越しに自己主張する乳首が、柔らかく豊満な身体に擦れ、これまでになく幸せに満ちた快楽をもたらした。

 擦りつける回数が増すごとに、メグの白い戦闘服に薄茶色の汚れが広がってゆく様を見て、アイはさらに興奮し、触手から媚粘液をまき散らして塗り拡げた。ネチネチミチミチといった粘着質な音が発せられ、その卑猥な響きにまたアイは興奮する。
 必死に拒もうと、メグはアイの頭を両手で押し退ける。だがアイの方は、快楽に浸って力が抜けるどころか、ますます強く全身で抱きしめるように組みふさがってくるのだ。

「はぁっ、はああぁ……私ぃ……こんなにメグ姉様のこと汚してるぅ……イイ、触手が気持ちいいぃ……メグ姉様の柔らかい身体全部気持ちいいのぉ……やン……溢れちゃう、触手チンポから汁が溢れちゃうぅ……あああぁっ」
「アイちゃん! お願いだから正気に戻ってぇっ! やあっ、そんなに……そんなにされたら……ひいいぃっ、おっぱいの先摘まないでえっ!」
「ふふ……コリコリしててとっても可愛い……こんなに硬くして嬉しそう……ねえ、メグ姉様……私、知ってるんですよ? メグ姉様のおっぱい、興奮したらミルクが出るの。うふふふ……あとでじぃ〜っくり搾ってあげますからねぇ」

 意地悪くも楽しそうにアイは語りかけ、メグの両乳首を摘んだ指にぐりぐりと力を込めつつ、身体をずらして今度は顔同士をつき合わせる位置に持ってくる。そして避ける隙を与えないほどに素早く唇を重ねた。

「ひあっ……いやあっ、おっぱいそんなに……うぷうううぅうううぅんうぅっ!? むーっ! んぶううぅぅっ!」

 外から見ると、ただのディープキスと言って差し支えないような様子だった。だが、アイの唇によって出口を塞がれたメグの口内には、細長い数本の触手と化したアイの舌が奥深くまで入り込み蹂躙していたのだ。
 長大なミミズのような触手がメグの舌へ螺旋状に巻き付き、表面を撫でねぶりながら喉奥へ侵入してゆく。余った残りの数本は、口蓋を、歯茎を舐め、唾液を吸い、口腔内を隅々まで蹂躙する。

「んーーっ! うむむぷうぅぅ〜っ! ひゃめ……へぶむぷぅっ!」

 (これ……舌じゃない……? 細長くてぶよぶよしてる……触手!? そんな……アイちゃんの身体が触手に……ゆらぎなんかに……)

 舌を絡め取り、奥へ奥へと侵入してこようとする触手に、メグは嘔吐感に見舞われる。同時に、愛しい教え子の身体が忌むべきものへと変えられてしまっているということに、激しい絶望感を覚えていた。

「んっ、んくぅぅ……んむぅ……んふぅ……」

 アイの方はそんなことなど気にする素振りすらなかった。ただひたすらに鼻から甘い呻きを漏らし、憧れの人の粘膜の感触と唾液の味を楽しみ続ける。
 濡れて貼り付いた肉同士がはがれる「みちっ」という音。続いて、びりびりと派手に布の裂ける音。アイが纏っていたレオタードは腹部の側ほぼ全面が内側からの圧力によって縦に裂けていた。裂け目からは、衣服を押し破った原因たる触手が、媚粘液の涎を垂らしながら物欲しげに鎌首をもたげていた。

「んんっ……んんふうぅぅぅーーっ……くうぅん……」

 メグの唇をぴったりと塞いだまま、アイは自らの触手を押しつぶされる巨乳の谷間に押し込む。柔肉に包み込まれる感触と、ざらつきのあるアンダーウェアの感触、触手からもたらされる快楽に酔い、アイは発情した牝猫のように甘ったるい鳴き声を上げながら腰を振り身体を擦りつける。
 触手表面の至る所に分布した分泌管は、触手が一突きするごとに媚粘液を噴出し、メグのアンダーウェアをびしょびしょに汚してゆく。

「くうぅん……うむぅんっ、んっ……ぷはああぁぁあああああーーっ!」

 触手と化した長い舌を引き抜き、身体をのけ反らせる。そしてひときわ高いうめき声とともにアイが絶頂を迎えると、さらに多量の汁が勢いよく撒き散らされ、無防備なメグの顔面に降りかかった。

「あ……はぁ……べとべとぉ……メグ姉様のお顔、私のきたない汁で汚しちゃったぁ……」
「う……うぅ……うくっ……はぁ、はあぁ……」

 塗り拡げられる粘液を吸収して、メグの心臓が早鐘を打ち始めた。他の多くのゆらぎと同様に、アイが分泌するそれにも催淫の効用が備わっていたのだ。

 メグの全身は熱く火照り、股間はベトベトに濡れそぼり始めた。豊かな双球の頂上からは牝牛のもののように大振りの乳首がせり出してアンダーウェアを押し上げる。
 切なさにまみれた息を一つ吐き出すごとに、淫裂からはどぷっと分泌物が溢れ、両の乳首からはチロチロと乳汁があふれ出して衣服にシミを作る。

 (あ……私ぃ……アイちゃんにキスされて……おっぱい弄られて感じてる……のぉ? 身体の芯が熱くって……切なくて……もっと……)

「うふふふ……どぉしたんですかメグ姉様? そんなにいやらしい顔して」
「え……」
「乳首がビンビンに尖ってすっごく物欲しそうにしてますよ? 搾って欲しいんでしょ? 搾られてミルクいっぱい噴き出したいんでしょ?」
「あ……あぁ……」

 アイは邪悪な笑みを浮かべながら畳みかけるようにメグに迫る。呼吸に合わせて揺れる乳房を両手で包み、焦らすようにさわさわと軽く撫で回す。

 (だめ……ぇ……こんなことで……屈しちゃ……このぐらい、私は……平気……)

 びりぃっ! という繊維の引裂かれる音に続いて、アンダーウェアの破れ目から柔餅のような爆乳が飛び出した。勢いで乳肉がぷるんぷるんと弾け、少量のミルクが飛沫となって宙を舞う。

「素敵……この大きくて綺麗なおっぱいが、下品に乳汁を撒き散らすのね……こんな風にっ!」
「ひいいいいいぃぃいいひゃやああぁぁっっ! あーーっ! だめ、おっぱい出ちゃううぅっ! あああぁぁ……」

 アイは手のひらに思い切り力を込めた。こね回された乳房が変形し、乳首から二条の白濁液が噴出する。溶けるような快楽にメグは甘い悲鳴を上げた。

 (あぁぁ……凄い……こんなの、全然耐えられないわ……でもいいのよ、いいのよね? これはアイちゃんに力を分けてあげるために……ゆらぎにならないように力を与えるためにやってるんだから……私は、悪く……ない……)

 圧倒的な快楽の前に、陳腐な免罪符にすがりついたメグの心はあっさりと敗北した。
 ただ搾られるままに充血した乳首から牝牛のようにミルクを垂れ流し、噴出の度に起こる男性の射精にも似た快楽を全身で味わい、犬のように舌を出してハアハアと荒い息を吐き続ける。

「あんっ! ひゃあんっ! いひぃぃい、乳首いいぃっ! おっぱひぃ、止まらないぃっ! きゃうぅぅんっ!」
「凄い……メグ姉様のミルクタンク、搾っても搾っても噴き出してくる……気持ちよさそう……もっと、もっと搾ってもっと気持ちよくしてあげる……」

 アイは仰向けに倒れ込んでいたメグの身体を抱き起こすと、するりと背後に回り、背中から再び乳房へと手を回す。

 程なくしてアイの両手が変形をし始めた。
 手のひらが歪み数カ所の突起が生じ始める。突起は成長して紐状に伸び、新たな触手へと成長する。
 十本の指もまたその長さを増して触手状になり、都合二十本近くの細長い触手がメグの両胸に取り付き、搾り上げ、這い登り、敏感な乳首へと巻き付いてじゅるじゅると媚粘液を擦り込みながらさらにミルクを搾り出し始めた。

「きゃんっ! きゃひぃっ、イイッ! しゅごいぃーーっ! あ、ああああぁぁーーっ! ミルクぅ! ミルクもっとぉ、もっと搾り出してぇ……空っぽにしてええぇっ!」

 おおよそ人間には不可能な動きに、メグは完全に弄ばれていた。
 触手に巻き付かれてドリル状になった乳房が、根元から先へ順々に押し出すように搾られ、次々とミルクを噴き出す。
 最も敏感な乳首は噴き出すミルクの勢いに押されてぶるぶると振動し、締め上げなぶる触手たちと摩擦を起こして、さらなる快楽にさいなまれてゆく。

 今やメグは自ら乳房を両手で抱えて前後左右に揺り動かし、少しでも多くの快感を得ようと自らの肉体を触手達に差し出し擦りつけていた。

「あああぁ……ひああぁっ! おっぱいぃっ! おっぱい凄いっ! ミルクで、乳首だけでイッちゃうっっ!」

 ひときわ大きくびゅるびゅると乳汁を飛ばして、メグは気をやった。
 快楽のあまりに流れる涙を、触手状に伸ばされたアイの舌が舐め取り、悦びにだらしなく緩んだ頬に塗り拡げる。

「はあぁーっ、はぁーっ……」
「あはぁ……メグ姉様のぉ……涙でベトベトのほっぺ……ぷにぷにして、しょっぱくて……美味しい……んくぅ……」
「いやっ……そんなトコ……舐めないでぇ……えっ、え……? ひ、ひゃあああああぁぁっ!?」

 頬を伝って這うアイの舌触手が、下まぶたを越えて眼球に侵入した。
 溜まっている涙を吸いながら、黒目を傷つけないように丹念にまぶたの裏を舐め回す。痛みとは異なるおぞましい感触に、メグは目を閉じることも出来ず、瞼の筋肉をひくひくさせてオロオロするのみだ。

「目ん玉ぁ……目ん玉美味しいのぉ……クリクリした感触が気持ちよくて……全部、裏側まで舐めたい……」
「いっ、いぎぎぎぃ……そんな、奥に入り込まないでぇ……前が見えな……い……」
「うぶっ、んじゅるるるるぅっ! ひゃああぁっ、イクッ! 私、メグ姉様の目玉犯してイクのおぉっ!」

 ぴちゃあっ! と勢いよく舌触手の先から媚粘液があふれ出た。
 たちまちのうちにその透明な粘液はメグの眼窩内に溢れ、泡を吹いて頬を流れ落ちる。
 歪む視界の中で、メグは網膜から媚毒が染み込んでくるのを感じていた。快楽はすぐ側の脳に伝わり、彼女の精神を一気に連続したエクスタシーへと導いてゆく。

「あ……ああああぁ……なに、何なの……これ、えぇ……ひあっ、あひいいぃぃぃっ!」

 (まぶたの裏が……ちかちかして、むずがゆくって……え、これってもしかして……イクぅぅっ!)

 目を犯されてイクという異常な状況に倒錯した快楽と興奮を覚え、メグは乳首からさらにミルクを溢れさせる。すっかり腫れあがった乳首の先端には、ミルクの噴出によって押し広げられた乳腺の出口がぐっぽりと口を開け、赤黒い穴が穿たれたようになっていた。
 その穴からは快楽の証たるミルクが次々溢れ、搾っても搾っても尽きそうになかった。

「あぁ……イッてるメグ姉様、すごく可愛い……もっともっと素敵な顔見せて欲しい……」
「いっ……ひぃっ! きゃああっ!」

 恍惚に浸るメグの身体にアイは触手と化した両手を這わせる。胸の破れ目からアンダーウェアの中に入り、暴れ回ってメグの衣類を引き裂いた。髪と同じ亜麻色の恥毛が露わになる。その中に隠れた淫裂は案の定、分泌された膣粘液によってベトベトに濡れていた。

「ふふ、やっぱりおっぱいだけじゃ満足出来ないんですね? いいですよ、その厭らしい涎でベトベトのオマンコもいっぱい擦ってあげますから」

 アイは、メグの背後から耳元にささやきかける。その股間から生えた触手がメグの腿の間に入り込み、じゅるりと音を立てる。

「ひあ……あ、あああぁーーっ! きゃう! くううううぅぅっ!」

 アイは触手の胴をむき出しの秘裂に接触させると、スマタの要領でずるずると前後に揺り動かしてみせた。表面の突起が淫唇の襞に擦れ、粘液同士が混ざり合い、ぎちゅぎちゅと卑猥な音を立てる。
 触手の侵入を拒もうとしてメグは太腿をとじ合わせていたが、ひとたび快楽を与えられてしまえば、自ら前後に尻を動かして触手に内腿を擦りつけ始めるまではすぐだった。

 大変なことになっているのは下半身だけではなかった。最初は胸にだけ群がっていた、アイの両手の掌から伸びる触手達は、今やメグの全身を這い回り、皮膚を舐め犯していた。
 脇腹をくすぐられ、臍の中をほじられ、背中をするすると這われ、うなじを舐められ、耳朶をねぶられ、耳の穴を犯され、その他全身の皮膚を舐め回される。
 おぞましくも快楽に満ちた感覚に淫裂を舐め擦られる快感も相まって、メグは再び絶頂に持って行かれそうになっていた。

 そしてトドメはやはり卑猥にさらけ出された乳首だった。

「え……ひいぁぁ、こ、これ以上ぉ……これいひょうされたらぁ……あ、あっ、ああああーーっ!」

 ずぶり! ずぶり! と、うどん程の太さの細長い触手が二本、連続して乳首の先端から乳腺の中へ侵入したのだ。 チロチロと流れ続けていたミルクが勢いで軽く飛び散る。
 ずるずると摩擦音を立てながら触手は乳房の内部へとどんどん入り込んでゆく。刺激に反応して乳房が数度ぴくんぴくんと上下に揺れた。

「く……くぅうぅ……おっぱいの中……狭くてぎゅうぎゅうしてる……触手が締め付けられてすっごくイイ……」
「ひ、ああっ、あっ、うああああっ! おっぱいが勝手にびくびく言ってるぅっ! 触手が、触手がああぁ……暴れないでええっ!」

 元々狭い腺組織である乳腺の中を押し広げるように、しかも媚毒をちびちび分泌しながら暴れ、荒らし、刺激しているのだ。活を与えられた乳腺の造乳組織は当然のように大量のミルクを生産し、乳腺の中に分泌する。

「あうぅぅ……く、くるひぃぃっ……いぎゃああっ! そんなあぁ、おっぱいの穴あぁ! ほ、ほじるのやめてへぇぇっ! ひぃっ! ひぎいぃぃっ! くっ……ふぅ……苦し……いぃ……中に溜まって……溜まってるのに……そん、なに……暴れられたら、ああっ……あくううぅ……」

 本来ならば内圧で乳首から外界へ噴き出すはずのミルク。だが、侵入してきた触手によって出口に蓋をされてしまったメグの乳房は、次々と生産されるミルクを乳房の中にどんどんため込むことになってしまう。まさにミルクタンクと化した乳房は、内側からのミルク圧でぱんぱんに腫れ上がってしまった。

「ひぐうぅ……出したいぃ、出させてぇ! だひゃへ、ふいぃぃっ! あひっ、あひいぃっ!」
「ふふふ……そんなに見られたいんですか? はしたなくミルクぶちまけるところを。下品に母乳噴き出すのを……いいんですか? そんな恥ずかしいところを教え子に見られて」

 それでもアイは容赦しない。決してミルクを排泄できないように、乳孔から触手を抜かないまま、より強力な刺激を与えようと荒々しく触手をピストン運動させる。

「いぎぃっ、ぐぎぎぎぎぃいいっ! 意地悪ぅ、言わないでぇ! こんなの、苦しくて……無理よぉ、ううっ、うくううぅぅ……」

 数分にわたって、乳孔ピストンと乳房締め上げの合わせ技でメグの乳房は内外からいたぶられ続けた。
 股間を素股する触手から与えられる快楽など吹き飛んでしまうほど、メグの精神は、ただ乳房を苛む激痛と、早くミルクを噴き出して楽になりたいという欲求だけで支配されていた。

 数十分後、張りつめた乳房が赤黒く変色して腫れ上がり、今にも破裂してしまいそうに思えたそのころになって、ようやくメグは地獄の責め苦から解放された。
 触れただけで激痛を起こしそうな程に腫れた乳房に数本の触手が巻き付いて、思い切り締め付ける。同時に乳腺の奥深くまで入り込んでいた二本の触手が一気に引き抜かれたのだ。

「ひっ、ひゃあああああああああああぁぁぁぁーーーーーっ!」

 乳房の中の組織そのものが引きずり出されるような感触。それに続いて、まるで膿でも混ざっているかのようにどす黄色い乳液が吐き出された。

「噴くううぅぅっ! おっぱい、ミルク噴くううぅっ! イグうぅぅっ! 噴きながらイクううぅっ!」
「すっごい……こんな濃いミルク撒き散らして……メグ姉様、ほんとに牝牛みたい……」
「あああぁ……あぁ、私ぃ……牝牛ぃ……」
「いいの……安心して牝牛になって……私がいつまでも飼ってあげますから。乳牛みたいに厩舎に繋いで、鼻輪をして、「メグ」って書いた大きな名札を首にぶら下げて……毎日毎日ミルク搾り取ってあげます。乳腺の奥の奥までほじくり返しながら、こそぎ出してあげます。何も考えずに、ミルク搾られて気持ちよくなってるだけで生きていけるんですよ……ずぅっとイキっぱなしです」
「あ……搾られるだけでいい……ずぅっとイッたままなんて……そんなの、素敵ぃぃ……」

 身体の内側が裏返って外に飛び出すような悦楽感の中で、メグは乳牛としてミルクを搾り取られる自分の姿を妄想していた。
 藁を敷いた地面に四つんばいになり、木の柵の上にあごを乗せられて頭部を固定されている。

 片方がスイカほどの大きさにまで肥大した両の乳房は暴れるのを防ぐために革製の拘束具で締め上げられ、乳首には金属製の搾乳機が取り付けられている。
 搾乳機の内側には触手状の柔毛が生え、それが乳首を舐め回すように刺激しながら、泣こうがわめこうがお構いなしに、ミルクを延々搾り取り吸引するのだ。
 次々と搾り取られ、一滴残らずノズルの餌食になってゆく自分のミルクを、涙で歪んだ視界の隅に捕らえて、メグは苦痛と快楽に悲鳴を上げ続ける。
 暗示によってもたらされた短い時間の妄想で、メグはまたもや絶頂に達した。

「ひい、ひぃぃ……あへぇ……搾ってぇ、おっぱいぃ……おっぱい熔けるうぅぅ……」

 赤黒い乳首が、ぶぴっ、ぶぴっ、と派手な水音を立てて暴れ回る。へたり込むように座った姿勢だったメグは前のめりになって床に両手をつき、尻を高く上げて、桁違いの快楽を必死に受け止めようとぶるぶる身体を震わせる。
 触手から離れた陰部が宙にさらけ出され、ピンク色の肉貝が露わになった。物欲しげにヒクヒクとわななき、粘液を垂れ流している。

「うわ……凄い……メグ姉様のオマンコ、ぐちょぐちょのドロドロぉ……ふふ、こっちの穴もいっぱいほじってあげますからねぇ……」
「あぁ……いっぱい……ほじられるのぉ……いいっ! それイイッ! じゅぷぅ〜っ、て奥まで突っ込んで、ぐっちゅぐちゅにほじくり返してえぇっ!」

 くずおれようとする身体を支えるように、アイは太めの触手を一本メグの腹に巻きつかせる。突き上げられた尻に促されるようにして、アイは触手をもたげ、吸い込まれるようにその肉裂に突き入れた。

「はあああぁ……入ってくるぅ、アイちゃんの触手ぅ……中でぐるぐる暴れてるぅ、あんっ! あくんっ! アソコの中がいっぱいぃ……」
「メグねえさまあぁ……メグ姉様の中ぁ、狭くて熱くて……触手から膣のざらざらした感触が伝わってきてすっごく気持ちいい……」
「イイのぉっ! もっと乱暴に犯してえっ! もっと奥ぅっ! 牝牛のマンコの奥、子宮犯してぇっ! ひいぃ、いぎいぃっ! いぐぅ! またミルク噴きながらイグウゥぅっ!」

 妄想の中でメグは再び乳牛になっていた。
 牝牛メグは厩舎で搾乳されながら、背後から飼育係のアイに抱きかかえられ犯されていた。メグの妄想の中に現れたアイはもちろん女性だったが、女に犯されているという不自然な構図も気にならないほどにメグの脳髄は溶けきっていた。

 愛しい人に犯されて、興奮と快楽のあまり噴出するミルクの量は倍増する。
 牝牛の象徴たる鼻輪は柵木の横棒にかちかちと当たり情けない音を立てる。
 マゾヒスティックな妄想に、キュンキュンと膣の筋肉を収縮させて、メグはまたエクスタシーを味わっていた。

「わ、私もぉっ! メグ姉様の中が気持ちよすぎてイッちゃいそぉ……ひっ、え、ええっ? しょ、触手が……勝手に暴れ……るぅっ!」

 快楽のあまり不随意筋が反応したのか、制御を失った触手がメグの膣内で激しく暴れ始めた。子宮底を突かれ、膣の内壁を舐められるメグ。メグの全身を舐め回す触手から同時に快感を伝えられるアイ。二人ともが制御不能の快楽に陥っていた。

「あああぁっ! 止まらない、止まらないいいぃっ! チンポ触手がイクのぉ、止めらんないよおぉっ! ドクドクってぇ、先っちょからあふれ出すのも止まらないのぉっ!」
「奥ぅ……オマンコぉ、ドロドロのおつゆでいっぱいなのぉ。アイちゃんの汁が私の中にいっぱいで……はあぁ、幸せぇ……」

 ぎゅるぎゅるとねじれ回転する触手の表面の突起から一斉に淫液が噴き出した。環状に分布したその分泌管から噴き出す液体はメグの膣内に放射状に散布され、粘膜を叩いて刺激し、吸収されてゆく。

 噴出の勢いが無くなってゆくと、まるで小便の後に失った体温を取り戻そうとして震えるように、アイは上半身をのけ反らせてぶるぶると腰を振り、淫液の最後の一滴までも搾り出そうとする。
 数十秒にも及ぶ長い放出が終わると、アイはそのまま気を失うようにして、後ろへひっくり返った。
 しずくが飛び、粘液が蜜壺からどろりとあふれ出す。支えを失ったメグの身体は、くの字に折れ曲がったまま横倒しになって床に倒れた。

「はああぁ……もっとぉ、もっと欲しいのぉ……私の中に突っ込んでぐちょぐちょにかき回して欲しい……んふ、ふううぅんっ……」

 完全に気を失い、無言で仰向けに横たわるアイの脇で、メグはなおも飽き足りないように両手で自らの股間をまさぐる。得た快楽を逃がしてなるものかと言った風に、必死に指を入れ乱暴にかき回し続けていた。

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